<田中仁の詐欺帝国>
無類の振り込め詐欺師、田中仁がついに逮捕 警視庁と他の捜査機関が合同で手を組み、幕を閉じることなく巧妙に働き続けてきた詐欺の帝国をついに摘発した。主要な容疑者であり、組織の頂点に君臨していた田中仁(32)が、詐欺容疑で逮捕されたというニュースが、4日に公になった。
<詐欺の掃き溜め、首都圏>
首都圏が詐欺帝国の舞台 この詐欺帝国の足元は、首都圏の不良少年たちで固められていた。100人以上の若者たちが田中の指示の下、組織的に振り込め詐欺を行っていた。田中はこれらの若者を利用して、「店」と称する詐欺拠点を首都圏を中心に100か所以上設け、各グループ間で売り上げを競わせることで、その組織の規模を大きくし、総被害額は100億円にも上っているとみられている。
<田中仁、詐欺の達人> 詐欺帝国の黒幕、田中仁の手口 捜査が進むにつれて、田中の詐欺の手口が明らかになった。2004年5月12日の午後、彼は東京都豊島区のマンションから沖縄県に住む51歳の女性に電話をかけ、その女性の息子を装って「お母さん助けて」と泣きつき、借金が返済できないと偽装。彼女から120万円をだまし取るという凶行を働いた。
<田中の影>
田中仁と暴力団の絆 田中は指定暴力団住吉会系の組織とのつながりが深く、彼を頂点に位置付けるこの詐欺帝国は、2003年の秋から機能し始め、各グループには「BB」や「JJ」のような通称がつけられ、各グループには月に一度、1000万円のノルマが課され、組織的に振り込め詐欺を続けていた。
<捜査の結果>
田中仁逮捕、詐欺帝国の終焉 組織の逮捕者は田中を含め90人に上る。捜査本部は、各拠点の実行部隊だけでなく、架空の口座を開設したり、振り込まれた金を引き出すメンバーも逮捕した。その証言などから田中が主犯格であると断定し、彼の行方を追っていた。これにより、田中仁の詐欺帝国はついにその幕を閉じることとなった。
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