概要と逮捕経緯
警視庁捜査2課は、弁護士資格を持たない者に法律業務を行わせた疑いで、元自民党衆議院議員でありながら弁護士でもある今野智博容疑者(48歳、埼玉県深谷市在住)を弁護士法違反(非弁提携)で逮捕したことを発表しました。名義を借りて弁護士活動をしたとして、いずれも職業不詳の辻直哉容疑者、松井宏容疑者、職業不詳の須藤博容疑者(51)、松尾勝輝容疑者(31)。その他に20~50代の男女8人。合わせて11人が逮捕されました。
詐欺の手法と被害状況
今野容疑者とその共犯者たちは2023年9月から半年間にわたり、SNSを利用した投資詐欺や、恋愛感情を悪用するロマンス詐欺の被害者約900人から、法律相談の名目で約5億円の着手金を騙し取ったと見られています。しかし、実際に被害金が回収された事例はほとんど確認されていません。
実行の手口
警察の調査によれば、今野容疑者はホームページ上で「詐欺被害の返金を弁護士がサポート」と宣伝し、詐欺被害者からの問い合わせを受けた後、法律事務所スタッフを装った辻容疑者らが詐欺に関連する契約書の作成や口座凍結手続きなどを行っていました。
資金の流れ
逮捕された今野容疑者は、受け取った着手金の10%を自身で受け取り、残りの90%は辻容疑者らと共有していたとみられます。この資金は主に借金返済などに使用されていたと報じられています。
今野容疑者の経歴
今野容疑者は2005年に弁護士登録を行い、2012年の選挙で自民党から衆議院議員として初当選しました。その後、2017年の選挙では落選しています。彼の過去のキャリアが、今回の犯行にどのように影響したかについても警察は注目しています。
法的措置と今後の対応
この事件に関連して、警視庁は今野容疑者らの犯行の全容解明に努めるとともに、詐欺行為に利用された資金の流れやその他の被害者の存在についても引き続き調査を進めています。また、法的な責任と今野容疑者に求められる賠償についても今後詳細が明らかになる見込みです
コメント
東京地検は2日、弁護士の名義を無資格の人物に貸したとして、弁護士法違反(非弁護士との提携)の罪で元衆院議員の弁護士今野智博容疑者(48)を起訴した。今野被告の名義を利用したとする同法違反(非弁活動)罪で職業不詳辻直哉容疑者(51)ら2人も起訴。
警視庁によると、今野被告らは昨年9月~今年3月、詐欺の被害回復を求める北海道や沖縄などの約900人から、着手金約5億円を受け取ったとみられる。
起訴状などによると、今野被告は弁護士ではない辻直哉被告ら10人に自身の名義を利用させ、詐欺事件の被害金返還請求の事務をさせたとしている。